AbbVie Inc. (ABBV)は今買いか?

dMz / Pixabay

はじめに

この記事では,AbbVie Inc. (ABBV)株を今買うべきか否かについて私の考えを記載したいと思います.ABBV株は2017年に急上昇した銘柄の一つですが,2018年に入ってからは株価が急落しており,なんとなく割安な感じがします.しかしならが,製薬メーカーの価値を評価するにはパイプラインの評価が重要であり,そんなに単純ではありません.

ABBVとは?

ABBVは,シカゴに本社を置く新薬メーカーです.ニューヨーク証券取引所に上場しており,S&P100の構成銘柄にもなっています.

Abbot Laboratories (ABT) という名前が似ているアメリカの製薬会社があります.実は,ABTからスピオフしてできた会社がABBVなんです.このスピンオフは2013年ですので,ABBVは新しい会社ですが,ABTからの歴史を考えると長い歴史を持つ会社と考えることもできます(ABTの創業は1888年).

ヒュミラ(アダリマブ)の貢献

ABBVといえば,ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤のヒュミラ(アダリムマブ)です.ヒュミュラは幅広い適応症を取得しており,関節リウマチ,乾癬,強直性脊椎炎,クローン病,潰瘍性大腸炎などの治療に使用されます.

その中でも関節リュウマチの適用は世界的にヒットしており,2017年度(1〜12月)の売上は184.27億ドル(およそ2兆円)です.なんとこれは武田薬品工業の全売上よりも高いんです!

ABBVの2017年の売上は,282.16億ドルです.ABBVの全売上に占めるヒュミラの割合は,およそ65%です.ヒュミラにも特許切れは訪れますので,いつまでもヒュミラの売上に頼っている訳にはいられません.

Rova-T (rovalpituzumab tesirine)

Rova-Tは,ヒュミラの特許切れによる売上減を埋める次世代大型新薬候補として期待されています.

Rova-Tは,がん幹細胞に関連するDLL3 (delta-like protein 3)をターゲットとした抗体薬物複合体(ADC)です.ADCは,次世代医薬品として注目されており,第一三共が開発中のDS-8201などが有名だと思います.

Rova-Tが狙っている適応症は小細胞肺がん(SCLC: Small cell lung cancer)です.現在,ファーストラインとセカンドランでPhase 3試験を実施しており,サードラインではPhase 2試験を実施しています.

肺がんは,その組織型によってNSCL (非小細胞肺がん)とSCLCの2つに大きく分けられています.肺がんの原発性腫瘍のうちSCLCの割合は約20%です.NSCLの1/4程ですが,肺がん自体の人口が多いため,マーケットとしては大きいと考えられます.SCLCの特徴は,増殖が早く,転移しやすいという点です.NSCLを対象とした薬剤は多く開発されていますが,SCLCを対象とした薬剤はあまり見かけない気がします.

2018年3月のABBV株暴落

3月22日,Rova-Tに関するFDAとの相談結果がABBVから公表されました.Rova-Tの迅速承認制度に基づく承認申請については認められないということでした.

3月5日に119.29ドルを付けたABBV株でしたが.4月6日には89.78ドルまで暴落しています.およそ24.7%の下落です!ちょっと落としすぎた感じがあります.

2018年5月のABBV自社株買い

ABBVが自社株買いを開始しました.最大で75億ドル(およそ8200億円)の普通株を購入する予定で,5月中に実施するようです.

4月6日に89.78ドルを付けたABBV株でしたが,5/1には102.07ドルまで回復しています.およそ13.7%の上昇です.

5月中は株価が上昇すると思いますが,それ以降の株価が気になるところです.

まとめ

自社株買いにより一時的な株価回復は期待できますが,長期保有を考えると大型新薬の上市が何よりも大事だと思います.

Rova-Tの迅速承認制度に基づく承認申請は認められませんでしたが,通常の申請であれば承認を取得できる可能性は十分にあります.SCLCの競合は少ないため,上市できればそこそこの売上を期待できると思います.

この記事では紹介しませんでしたが,ABBVのパイプラインは結構充実しています.その一つ一つを吟味しないとABBVの本当の価値は評価できないと思います.今後,機会があればABBVのパイプラインを詳しく見てみたいと思います.

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