ペプチドリームのPETトレーサーへの期待

mohamed_hassan / Pixabay

はじめに

ペプチドリームIR広報ブログが更新されましたので,その内容を受けてPETトレーサーに対する私の期待を記載したいと思います.

ちなみに.以下のようにIRとブログ更新の間は3ヶ月弱も空いており,ブログ更新に意味を感じてしまいます.

  • 2018年2月15日:臨床開発に関するIR
  • 2018年5月3日:ペプチドリームIR広報ブログ

既存のPETトレーサーについて

がんの治療方針を検討するうえでFDG(フルデオキシグルコース:グルコースの一種)を用いたPET検査(FDG-PET)は重要さを増しており,現在では早期の胃がんを除く全ての悪性腫瘍に対してPET検査が行われています.
さらにFDG-PETの目的は,転移・再発診断だけでなく,悪性リンパ腫に対する治療効果判定や予後予測まで拡大し始めています.

FDG-PETの原理と限界

がん細胞は正常細胞と比較して増殖が盛んに行われるため,グルコースの吸収が3〜8倍程度であることが知られています.そのため,がん細胞には正常細胞より多くのFDGが集積します.これをPETで撮影することで,悪性腫瘍の位置,大きさ,活動状況を診断することが可能とされています.
がん細胞のグルコース吸収能を活用しているため,改善の余地が十分にあると思います.全ての悪性腫瘍の約30%は,FDGの集積が認められないことが知られています.また,PETで陽性と判断されたうちの約65%は偽陽性であることがわかっています.

ペプチドリームのPETトレーサー

2018年2月15日,「米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社との共同研究開発プロジェクトに係るバイオイメージング剤の臨床開発に関するお知らせ」というタイトルでペプチドリームのIRがありました.
このIRでは,「バイオイメージング剤の臨床開発に入ったことをお知らせいたします」という表現がされており,治験を開始したのか,治験開始の準備が整ったのか,それとも治験の計画を開始したのかわかりませんでした.
ClinicalTrials.gov等のデータベースには公表されていないので,治験の計画段階だと私は思います.
さて,このIRで公開されたのは,最初のPDC (Peptide Drug Conjugate)開発についてです.ペプチドリームの独自技術PDPSを利用して取得した特殊環状ペプチドにPETで造影するための放射性リガンドを結合した薬剤を取得できたということで,PDCが実現できたというのは大きな成果だと思います.ADCの次はPDCだと思っています!
IRブログでは,以下をモニタリングできるようになると考察されています.
  • がん細胞の悪性の度合い(特定のがん抗原を高発現したがん細胞かどうか)
  • 体内のどこにどのように分布しているのか
  • 治療を開始した後に治療効果が出ているかどうか
1つ目は,FDG-PETではできなかったことなので新規性があると思います.
2つ目と3つ目は,FDG-PETでもできていたことですが,より選択性の高いPDCを利用することで,精度が高まることが予想されます.さらに,2つ目については,従来は診断できなかったガンを早期に発見することも可能になると思います.
以上のことからペプチドリーム由来のPETトレーサーには十分期待できると思います.

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