ペプチドリーム:世界に誇るバイオベンチャー

ペプチドリームって?

ペプチドリーム(PepriDream)は東大発のバイオベンチャーで,特殊ペプチドを応用した医薬品開発を行なっています.さらに,PDPSという特許で守られた独自技術を使用して,世界中の製薬会社と共同研究開発を行なっています.

低分子化合物 → 抗体医薬 → 特殊ペプチド

※専門知識がなくてもわかるようにザックリ目に説明します.

古くから開発されてきた薬剤の多くは低分子化合物がメインなんですが,既に研究し尽くされてしまっていて有望な新薬が見つかりにくくなってきたんですね.

そこで,アメリカのバイオベンチャーを中心に抗体医薬(高分子バイオ医薬品)の研究開発が始まったわけですが,製薬企業の多くは見向きもしなかったんですよ...当時は異端として扱われていて,多くの人が抗体医薬に期待していなかったんですね.そんな逆風でもGenentech(現在はRocheに買収されています)やAmgenといったバイオベンチャーが抗体医薬品の研究開発を進めると,臨床試験で劇的な有効性を示したんです!2005年世界売上Top 10を確認すると抗体医薬は2つでしたが,2016年には7つまで増えています!まさに世界を変えた技術と言えます.そんな抗体医薬品にもいくつか欠点があります(ページ最下部に簡単にまとめました).

低分子化合物と抗体医薬品の中間的性質をもつ物質の一つがペプチドです!ペプチドを医薬品として好ましい性質を持つように改良したものが特殊ペプチドです.

PDPSって?

Peptide Discovery Platform Systemの頭文字を取ってPDPSです.

以下の3つの技術で成り立っており,唯一無二です!前述の通り特許でがちがちに守られているので他社に真似されることは無いと考えて良いでしょう(各技術の説明は避けます).

  1. ペプチドディスカバリー翻訳システム
  2. ペプチドの環状化技術及び修飾技術
  3. PDディスプレー

PDPSを使用することによって,通常数年かかる新薬候補の製作を2~3カ月で完了することができます!なんと,小さなチューブの中で数兆種類の特殊ペプチドを合成し,その中から適切な新薬候補を素早く選び出せる技術なんです.とっても豪快な手法ですよね笑

共同研究開発先

こんなにも多くの企業と提携しています!

  • AstraZeneca(英)
  • Amgen(米)
  • Genentech(米)
  • Bristol-Myers Squibb(米)
  • Eli Lilly(米)
  • Ipsen(仏)
  • GlaxoSmithKline(英)
  • 第一三共
  • 田辺三菱製薬
  • Novartis(スイス)
  • 杏林製薬
  • 塩野義製薬
  • Merck(米)
  • Sanofi(仏)
  • 帝人
  • 旭化成
  • Bayer(独)
  • Janssen(米)

まとめ

  • PeptiDreamは,PDPSという独自技術を有する
  • PDPSは,これまでの薬剤にはない特徴を持つ特殊ペプチド薬を極めて短い期間で制作可能
  • 世界中の有力製薬メーカーがPDPSの破壊力に惹きつけられている

PeptiDreamのビジネスモデル,業績,将来性については,改めて紹介したいと思います!


低分子医薬の特徴

メリット

  • 免疫原性が少ない → 免疫による副作用が少ない
  • 細胞膜透過性に優れる → 細胞内にも薬剤が到達する
  • 経口投与が可能 → 患者さんの負担が少ない

デメリット

  • ターゲットが制限される → そもそも効果を発揮できない
  • 結合能・特異性が低い → 副作用が多い

抗体医薬の特徴

メリット

  • タンパク質間相互作用を阻害できる
  • 標的選択性・結合能が高い → 副作用少ない

デメリット

  • 免疫反応がある可能性がある → 副作用・薬効の減弱(近年,技術発展により改善されてきた)
  • 膜透過性が低い → 細胞内に薬剤が到達しない

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