ペプチドリームのインフルエンザ薬に関する考察

ペプチドリームって?

東大発のバイオベンチャーで,特殊ペプチドを応用した医薬品開発を行なっています.

簡単ではありますが,こちらにまとめてあります.

ペプチドリームのインフルエンザ薬 PD-001

独自技術PDPSを使用して創製した薬剤です.

インフルエンザウイルス感染から発症までの過程は以下の通りです.

  1. 感染・細胞内へ侵入 ← PD-001
  2. 細胞内での増殖 ←ゾフルーザ
  3. 細胞外へ放出 ← リレンザ,タミフル,イナビル,ラピアクタ(発売順)

最初の過程をターゲットとした最初の薬剤がPD-001です.

インフルエンザの治療

インフルエンザの治療は,発熱などの症状がでてからです.症状がでないと病院に行かないと思いますので当然と言えば当然ですよね.

また,ウイルス増殖が進行しすぎてしまうと,薬の効果が期待できません.そのため,既に発売されている薬剤は,症状発症後48時間以内に投与する必要があります(自覚症状がでてから病院にいって,薬をもうことを考えるとこの期間を過ぎてしまうことも十分に考えられますね).

上記の2点を考慮すると3つ目のターゲットである「細胞外への放出の阻害」がもっとも合理的なターゲットだと考えられます(これは臨床試験で比較した訳ではないので実際にどうかはわかりません).2つ目をターゲットとした塩野義製薬のゾフルーザは治療効果が認められており,2018年2月に承認を取得しています.

ここで気になるのが1つ目のターゲットがインフルエンザ治療に適しているのか?ということです.自覚症状が出た段階では,ウイルスの細胞外への放出がある程度行われています.その段階で1つ目の段階をターゲットとした薬剤を投与して効果を発揮できるかわかりません.「細胞内へ侵入」が症状を発症した後にどの程度行われるかがポイントだと考えています.こればかりは臨床試験で評価してみないとなんとも言えませんね.

インフルエンザの予防

治療で効果がなくても(まだないかわかりませんよ),予防の効果はわかりませんよね!?予防の場合,当然のことながら症状が発症する前に投与します.3つ目の段階をターゲットとしたタミフルとイナビルは,予防の適応を取得しています.1つ目の段階をターゲットとした薬剤の方が予防の効果は高そうじゃないですか?

PD-001の可能性

メーカーは市場規模の大きい治療から考えるでしょう.ペプチドリームの岩田さんが更新されているIR広報ブログを確認してみると,治療と予防のどちらで進めるかは書かれていません(治療しか考えていないかもしれません...).

単剤開発にするか,既存薬との併用での開発にするのかは検討中であると記載されています.併用した場合は,上乗せ効果を示す必要があります.インフルエンザの治療と予防については,上乗せ効果を示すことは困難ではないかと思います.株主としては,単剤で治療と予防の適用を目指して欲しいと考えています.

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