Amazonは割高か?に対する一つの考え

2017年,3人の有名投資ファンドマネージャー(Greenlight CapitalのDavid Einhorn, Nordea BankのRobert Ness, Morgan CreekのMark Yusko)が,Amazonの株価がバブル状態になると避難しました.はたしてこれは正しいのでしょうか?

驚異の割高株

一見するとAmazonが割高なのは疑うまでもありません.現在の簿価は時価総額の5%未満です.ただ,それだけで判断して良いのでしょうか?今年度の売上は昨年の4倍となる見通しで,来年度には170倍の利益を生む見通しとなっています.

Bloombergによると,Amazonは2023年までに5,350億ドルの収益を生み出すと予想されています.ちなみに,これは2017年におけるアメリカの小売売上高の12%に匹敵します.もし利益率が8%に上昇すれば,25倍の収益でAmazonは1兆ドルの企業となることは間違いありません.現在のAmazonは成長過程で実力を出し切っていないだけであり,これは楽観的な予測ではないと思います.

Amazonの小売サービス(従来の電子商取引ビジネスを含む)

Amazonの小売サービスには,Amazon Prime, Amazon Key, Amazon Echoなどの複数のサービスがあり,これらはAmazonの収入の90%を占めています.そんな重要なセグメントですが,以外にも赤字を計上しています.これが成熟した企業であれば問題ですが,自社の成長に優先投資しているAmazonにとっては問題ではありません.2000年代,BezosからはFlying Wheel (またはBezos Napkin Diagram)という成長戦略が示されています.

Flying Wheel戦略

1) 流通インフラに再投資することで事業規模の拡大とともに経済効率が上昇. 2) Amazonが商品価格と輸送コストを下げる. 3) Amazon Prime会員数が増える. 4) サードパーティーが増え,ユーザーが流入する.という成長サイクル。

過去3年間で,サードパーティーによる売上が占める割合は,21%から30%に成長しました.このことは,Flying Wheel戦略を実践している証です.サードパーティーが増えれば,Amazonはサプライヤーから在庫を購入する必要がなくなり,コスト削減が実現できます.

Amazon Prime

アメリカ国内には,100万人弱のAmazon Primeメンバーがいます.これはアメリカの家庭の60%に匹敵するとも言われています.年会費99ドルが安定的に入ってくるため,Amazonの成長戦略には欠かせません.
それだけでなく,Prime会員のAmazonでの年間利用料は,非会員の2倍(約1,300ドル)と言われています.

Amazonのマネー術

Amazonはサードパーティーの商品が売れてからサードパーティに対する支払いまでの期間を80日程度に設定しています.そのため,支払いまでの期間は他の事業などにお金を回すことが可能です.
昨年,Amazonは未使用のギフトカードだけで30億ドルを保有していました.これはAmazonがほぼ自由に使用できる現金であるため,好きな時に好きなように投資に回せます.

Amazon Web Service (AWS)

15年前,急速に発展している電子商取引ビジネスにおけるWebインフラを整備するため,Amazonはバックエンドサービスの構築を開始しました.2007年には,Amazon Web Serviceという新システムを一般にも公開しています.
2015年にAWSから得た収入と利益ですが,サービス公開時から比較すると,売上は465%,利益は614%の成長をはたしています.また,昨年度については,Microsoft,IBM,Googleなどのハイテク企業が先行しているクラウド業界であったにも関わらず,39%の成長を実現しています.
AWAの市場がインターネットを使用するあらゆるビジネスであるとすると,AWSの現在の利益にAlphabetの収益の50倍を足した収益が望めます.これは2150億ドル程であり,Amazonの現在の時価総額の30%に相当します.
ちなみに,世界的なインターネットの普及率はわずか54%なので,成長の余地は十分にあります.”

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